2/22花が咲く頃

2007.02.27
前回登場の患者の妻が、中庭を見ながら
「チューリップの芽が出てきたね」と言った。
普段は忙しくて花々の生長を見る余裕がなかった。

土だけしか見えなかった花壇からはチューリップの芽が顔を出していた。3月末で退職する私は、チューリップの花は見ることはできないだろう。そして、この患者さんも花が咲く頃までは生きてはいられないかもしれない。

痛みが段々強くなってきた為、本人、家族の希望で今朝から持続的に痛み止めを注入する治療が始まった。
本人も家族もとにかく辛いのだ。
痛みを感じないようにさせることは=眠らせることを意味している。

後どれぐらいまともに会話ができるだろうか・・・
次の勤務までには、恐らく私のことも分からなくなっているだろう。

帰り際に部屋に寄り、明後日の朝にまた会おうと言うと「淋しいな〜」と言われてしまい、その言葉の力のなさに泣きたくなってしまった。

一番辛いのは本人なのに、顔を見るのが辛くなってしまった。
側にいる妻はもっと辛いだろう。

いくら暖冬とはいえチューリップは私達には見れそうもないな・・・と心沈む朝の検温だった。





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